利用のきっかけ

・膨大な動画データ管理のためのリソース削減
・よりよいサービス提供のためのコンテンツ分析・改善

利用した感想

・映像情報を対象とした今までにないアプローチに、新しい可能性
・精度とスピードに大きな進化を実感

今後の展望

・動画のタグ付け作業で使用することで、作業時間の削減を期待
・動画資産を次のサービス改善につなげる一助に

全国6か所の拠点を中心に大学受験予備校を展開する代々木ゼミナール様では、講義の模様を収録した動画を生徒さんや提携先に向けてオンラインで提供しています。同社では、常時2万本ほどの動画をアーカイブしており、膨大なコンテンツの効率的な管理や新たな活用法の模索という観点から「BlendVision AiM」をいち早くトライアル利用されました。今回は、映像コンテンツの企画・制作等を手掛ける伊藤肇さん(経営企画室 サテライン教育企画部 統括部長)に「BlendVision AiM」の可能性についてお話をうかがいました。

 

90分の動画を年間8,000本制作。
品質向上への取り組みが現状の課題。


代々木ゼミナールでは、どのように映像コンテンツを制作・配信しているのでしょうか?

経営企画室 サテライン教育企画部 伊藤肇さん(以下、伊藤)

受験用のテキストが毎年改訂されるので、それに合わせて講義の動画も日々、アップデートを重ねています。制作本数は約90分間の動画を年間で約8,000本。ほぼ毎日のように撮影をしていまして、収録後はハラスメントなどの問題発言がないかをチェックし、収録から数日後には配信を開始するというスピード感で運用を行っています。


膨大な数のコンテンツを管理するにあたって、どのような課題があったのでしょうか?

伊藤:

撮影した動画は代々木ゼミナールのOBの学生さんなどが講義の内容に合わせて項目立てや分類などのラベリングをしているのですが、その手間と時間の削減というところが課題の一つ。そしてもう一つが、アーカイブの有効活用というところ。かなりのスピードでコンテンツを制作していることもあり、それぞれの内容を細かく分析して、講義や動画をより良いものにするという部分にはどうしても手がまわらず…。そんな時に「BlendVision AiM」の話を聞き、課題を解決する糸口になるのではないかと思い、トライアルさせていただきました。

 

膨大な数のアーカイブから、目指す動画を抽出。
精度とスピードに大きな進化を実感。


現在、どのように「BlendVision AiM」を利用されているのでしょうか?

伊藤:

まず約30分の動画を300本ほどAiMに読み込ませてテストを行っています。受験用語を正しく認識できるのか? 教科・科目・単元などを正しく認識・分類できるのか?といったことを確認するため、英語、数学、国語、理科、歴史などあえて幅広い素材を読み込ませました。


「BlendVision AiM」を利用しての感想はいかがですか?

伊藤:

音声認識に関しては、従来のものと比べて格段の進歩を感じましたね。かなりの精度でテキスト化されているという印象です。ただし、特殊な用語や数式などは正しい認識が難しいようで、チャットで問いかけしてもヒットしないケースもありました。しかし、動画をアップロードすれば、瞬時に対象となる動画の提案や分類項目ごとの抽出ができるようになっただけでも、かなりすごいこと。技術の進歩を実感しました。

また、開発や改善のスピードがかなり速くて対応も非常に柔軟。こちらから要望をお伝えすると、すぐに「このくらいのスピードで実装できます」とか「将来的に、こういう機能が追加されます」といったフィードバックが返ってきます。その点も非常に印象的でした。

 

講師や管理者の補助ツールとしての可能性に注目。
業務改善や講義の品質向上に期待。


現状の機能性をふまえて「BlendVision AiM」には、どのような可能性を感じていますか?

伊藤:

これまでは人の手でやっていた動画コンテンツのタグ付けや分類などは、AiMを補助的に使うことで作業時間の削減ができるのではないでしょうか。

アーカイブの有効活用については、当初の想定どおり、講義の品質向上に活用できるのではないかと感じています。講師が「〇〇に関する過去の講義を見たい」とリクエストして、ヒットした動画を見渡しながら次の講義の参考にするといった使い方が十分に想定できます。「BlendVision AiM」なら、講義を丸ごと見なくとも特定の部分だけ抽出して確認できるので、その点も便利ですよね。

AiMからの回答に関しても、確かに100%の精度とは言いづらい部分も残っていますが、それはどのAIツールにも言えること。これだけの精度があれば、何が正しいか誤りかを判断できる人、例えば講師などが使う分には、不正確なところは無視して正しいところだけをピックアップして使えばいいので、現状のままでも一定の活用は可能だと思います。

それから、弊社には動画コンテンツを販売する部署もあるのですが、「BlendVision AiM」を使って、提携先に「その教科のその単元に関しては、こんな動画がありますよ」と提案するといった使い方も考えられます。

生徒さんの利用に関しても、動画を探し出すという部分では活用の可能性があるように感じています。「〇〇の講義の、〇〇関する解説」という感じで質問すれば、90分の動画すべてを見返さずともすぐにほしい内容が手に入りますので、うまく使えば効率的な学習につながるのではないでしょうか。

 

使い方しだいで、さらなる可能性も。
AiMの特性に合ったコンテンツづくりも大切。


「BlendVision AiM」の可能性は、使い方しだいということでしょうか?

伊藤:

そうですね。弊社の場合は、動画の基となる教材の内容をよく知っている人が使えば、補助的なツールとしてさまざまな活用ができるように思います。

「BlendVision AiM」を使ってみて気づいたのですが、入力するキーワードや質問の仕方が曖昧だと、AiMの回答も曖昧になってしまうんですよね。ですから、AiMに質問する時は、いかに具体的に質問するかが大切。例えば「英語の勉強法を教えて」ではなく、具体的に「分詞構文について教えて」と問いかけることで、アウトプットの精度が高まるように思います。


今後の動画コンテンツ制作において、どのような活用が可能だとお考えですか?

伊藤:

「BlendVision AiM」をより有効に活用するには、講義の中身そのものを変えていく必要もあると考えています。

AiMは音声をテキスト化して分析しますが、逆に言うと、音声に入っていない内容はAiMが認識しません。例えば板書だけで口頭で説明していない場合は、提案や分析の対象にならない。「この方程式のポイントは、この三つ」と書くだけではダメで、「一つめのポイントは〇〇、二つ目のポイントは〇〇」といった具合に声で説明する必要があるわけです。ですから、今後は「講義の最後に要点のまとめを話すようにする」「該当するテキストのページ数を言う」といった工夫を加えることで、より効果的に「BlendVision AiM」を活用していけるのではないかと考えています。

こういった部分は、教育分野のみならず一般企業で「BlendVision AiM」を利用する際にもポイントとなるはずです。口頭での説明ができない時や、十分な説明がされていない時は、ナレーションを入れて補うというのも一つの方法かと思います。


今後AiMに期待することは?

伊藤:

映像情報をデータ化して利用するというアプローチは従来の発想にない新しいアプローチで、エンタメではない映像業界に新しい方向性を示していただいたと感じています。今後も引き続き、新機能の追加など積極的にアップデートを重ねて、「BlendVision AiM」をどんどん進化させていただければ思います。

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